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(有)栢菅美術料紙研究所は美術料紙を専門とする研究と開発及び製造の会社です。

TEL. 086-946-8730

〒704-8135 岡山市東区東幸西998

会社方針CONCEPT

 ~千年前から続く美術料紙の再現と先を見据えた新たな提案

学生の頃、悪筆を父に叱られ書を習うようになり、筆を持たないと何だか寂しいような気持ちになるので、上手になろうというより、日課として毎日書いていたような気がします。
終戦後、教職についたため、今度は本格的に書の道を目指して、内田鶴雲先生の門をたたき稽古を始めました。漢字も、かなも、先生の手本のほか古法帖古筆を習い、展覧会にも出品するように勉強を続けていました。

その頃福山で古筆の展示があり、生まれて初めて国宝級の古筆のすばらしさに触れ、又料紙のすばらしさを感じ、自分の書も少しでもよく見えるような料紙、又自分に合った書きやすい料紙は自分で作るより外にないと考えて、料紙の研究を始めました。
これが、昭和二十年代後半の頃だと思います。しかし、何度やっても礬砂が上手くゆきません。墨を弾いてしまいます。何回作って見ても書の書けるような料紙は作ることが出来ず、失敗に失敗を重ねて、何度中止しようと思ったかわかりません。紙質や季節によって加工の仕方を変えると気づくのに何年も掛ってしまいました。
そんな時、高木先生や小野先生が励まして下さったお陰で、現在まで続けることが出来たと思います。
又、京都の伝統工芸家の多くの人たちの指導、援助を受け、その上、地域の方々の協力により昭和三十年半ば頃より、どうにか書写出来る料紙を作れるようになりました。

その間多くの博物館、美術館巡りをし、多くの古筆を鑑賞し、その中でも森田竹華先生宅、前田家の尊経閣、西本願寺、陽明文庫等では、本物に手を触れて何時間も時の経つのを忘れて拝見させて頂きました。
それから、西谷卯木先生の御厚意により、田中親美先生の復元された原色模本を入手して、古筆料紙の復元の基礎として精進させていただき現在に至っております。
この時の思いを忘れる事なく、この先も技術と伝統に培われた良い料紙を作り続けて行きたいと考えております。

近頃では各地の紙漉産地でも伝統を受継ぐ人々がめっきり少なくなってしまったと伺っております。利用者が少なくなってしまったことに由来するそうですが、我々の業界でもうかうかしては居られません。和紙の利用が減れば、当然作る人も減ります。人が居なくなってしまえば、いざ欲しいと思った時には物が無いと云う事にもなりかねません。ニーズに合ったものを作るのは当然のことなのですが、良い物はよいと認める素直な心を養い、臆せず使って頂ける確かな製品を作続けてゆく所存です。

                                 栢菅 溪雨



ようこそ美術料紙の世界へ

CEO

1、古筆臨書用紙
西本願寺家集を始めとし有名古筆の料紙、清書用、練習用ともに多数
取り揃えております。

2、料紙、美術料紙

全壊紙、半壊紙、巻物用、手鑑用、帖用の料紙の外、大小色紙、短冊、扇面(特大・大・中・小・豆・ミニ)、うちわ(大・小)など各種。

加工内容も、染、具引、唐紙、ボカシ、金銀切箔、砂子、磨出し、ローセン、もみ紙、墨流しなどの外、破り継紙、重ね継紙などもあります。
特選料紙(半懐紙)    特選料紙(全懐紙)

3、画仙紙
半切、全紙、2尺x6尺、連落ち(1.75尺x7.5尺)、全長(2.3尺x6尺)全版(3尺x6尺)などの寸法で紙質も各種あり、、染、具引、唐紙、ボカシ、金銀切箔砂子、磨出しなど料紙と同様の加工をした細字用料紙加工ものもあります。

4、趣味用の品

 
   料紙便箋  中扇面
 鳥獣戯画、縦横筋入、
 3色墨流しの便箋封筒
 
手作り和紙便箋
 王朝風破り継の百人一首のカルタ
 王朝風破り継のハガキハガキ料紙など
 大色紙小色紙 

 
重ね継ミニ屏風(卓上用)破り継桐箱
 破り継しおり破り継封筒




5、写経用紙
 
紺紙・紫紙、写経料紙(写経用美術料紙)をはじめ、汎用写経用紙清書用、練習用が御座います。
金線、銀線のそれぞれ普通線、蓮台線、宝塔線の3種類で色は各色あります。丸蓮台も始めました。

原紙は純楮紙、純雁皮紙が主体ですが、純三椏紙、麻紙もあります。又練習用には、機械漉きのパルプ入り楮紙、ラモン箋等も御座います。
また不定期ではありますが、扇面写経、平家納経風写経料紙も御座います。



会社沿革

1965年4月
東幸西にて有限会社栢菅美術料紙研究所設立
1972年1月
東京中野に書道用品販売の有限会社栢美商会設立                  現(株)柏美
1972年1月
古筆臨書用紙他、美術料紙を発売
1972年11月
卸売専門の(株)ハクビを設立
1985年11月
料紙制作の為、(株)はくび工房設立
1990年1月
西大寺工場を開設
1990年8月
西大寺駅前に溪雨資料館を開設
2000年5月
出身地である御津町歴史資料館に溪雨所蔵品コーナーを開設             貴重な資料類、所蔵品等はこちらへ寄贈する
2004年4月
鳥取県青谷町『あおや和紙工房』にて資料館所蔵品展示及び講演会を行う。
2011年4月
創作破り継料紙の発売
2012年7月
岡山商工会議所会報中の『みいつけた西大寺(第3回)』に弊社が掲載されました。  地元で頑張っている特徴のある会社です。          
2013年1月
研究所で作成した料紙『支倉常長の書状』のレプリカ
    NHK歴史ロマンで使用していただきました。
2013年1月
資料館及び工房での制作風景が西日本放送で放映されました。
2013年11月
研究所で制作した重ね継料紙が映画『かぐや姫の物語』で高畑監督のタイトルバックに採用されました。
2014年11月