継色紙 (4寸4分2厘×8寸8分4厘)          戻る 臨書用紙 継色紙へ 
   古今和歌集 粘葉本 染紙(両面加工)断簡;東京国立博物館蔵

料紙一葉を使い、一葉の右半分(右項)に上の句を左半分(左項)に下の句を書き歌一首を納めた様式のもの。
同様式の歌が15首存在しております。

昭和初期の模写本
渋草色(しぶくさいろ)

継色紙 渋草色 『己悲之沙耳』  使用字母へ
13.4cmx26.8cm





清書用

清書用 継色紙 染紙 渋草色
色見本




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(現代語訳)




継色紙 濃紺色(恋三)  次の画面へ
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                       薄渋草色の見開き一紙に書かれております。             水色文字は使用字母

「上の句」(右項)
                          「下の句」(左項)
 
こひしさに みにこそき つれ かりごろ も     かへすを いかがうらみ ざるべ き 
  己悲之沙耳 美爾己處起 徒連 閑里己呂 毛     可部春越 以可々宇羅三 左流邊 幾 
                                                                   (よみびとしらず)

所載不明の歌(不詳;恋歌)この歌のみ出所が判っておりません。

薄渋草色。やや青味の薄渋青緑色です。薄い紺色が素紙の鳥の子色と重なって緑味を帯びたものかもしれません。見開き一紙に歌一首散らしていますが、上の句と下の句がそれぞれ色紙(豆色紙)一枚に収まる様書写されております。
昭和初期の模写本。(表面のみ書写、裏面には墨入れ無) 明治末期写本はこの下にあります。


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(現代語訳)
明治末期の模写本 渋草色継色紙 『明治末期写本』 渋草色 『こひしさに』  使用字母へ  




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(現代語訳)






明治末期
継色紙 濃紺色(恋三)  次の画面へ
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田中親美氏監修の継色紙で明治末期の模写本です。薄渋草色の見開き一紙に書かれております。      水色文字は使用字母

 
「上の句」
(右項)                       「下の句」(左項)
こひしさに みにこそき つれ かりごろ も   かへすを いかがうらみ ざるべ き
 己悲之沙耳 美爾己處起 徒連 閑里己呂  毛     可部春越 以可々宇羅三 左流邊  幾         

                                                                   (よみびとしらず)

所載不明の歌(不詳;恋歌)この歌のみ出所が判っておりません。


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(現代語訳)

「恋しさに見にこそ来つれ狩衣 返すを如何憾みざるべき」
現代語訳
恋しさのあまり会いに迄来てしまいましたよ狩り衣に、返すだなんてどうして残念に思わないでしょうか、いや残念に思うに違いないですよ。
解釈
(恋しさが募って会いに迄来てしまいましたよ、狩衣を着こなしている貴方の姿を求めてなのに、追い返すだなんてどうして残念に思わないことが有りましょうか。きっと残念に思いますから。)との意。

如何;どうして…しようか、(否…しない。)ここでは反語の意を表す。

憾み;残念に思う。未練がる。「憾む」の未然形。

ざるべき;…ないだろう。…無いに違いない。打消しの助動詞「ず」の連体形「ざる」に推量の助動詞「べし」の連体形「べき」が付いた形、当然の意を表す。

「みに」は「見に」と「身に」、「きつれ」は「来つれ」と「着つれ」との掛詞。

あすかがは

狩衣;狩衣。元々狩などの時に着たことから云う平安時代の公家の改まった感じの常用略服。脇を縫い合わさずに袖にくくり紐を通してすぼまる様にしてある。また括袴を用いて裾を袴の外に出し、烏帽子を用いる。江戸時代になると通常は綾織の物を狩衣と呼んで、武士の礼服となった。


                                                     
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